2018年、19年ともドル円相場は1ドル=100円台後半〜110円台前半の狭いレンジで、安定していた。今年は、着実にドル安円高に進んで103円台をつけた。21年は久々に波乱の幕開けとなるかもしれない。
ドル円相場の今の動きは円主導ではなくドル安だ。ドルの名目実効レート(多通貨間でみた実力)は3月から直近まで9%を超す下落となっている。だから、円と同様にユーロも対ドルで3月から7月にかけて大きく上昇した。
主な要因はFRB(米連邦準備制度理事会)が新型コロナショックを理由に、3月下旬からゼロ金利に回帰し大規模な金融緩和を行っていることだ。期待インフレ率を考慮した米国の実質金利はすでにマイナス圏に入り、これが株高を演出している。19年にはほぼ1.5%を超えていた米国の長期金利は1%を下回っている。
さらにパウエルFRB議長は今夏、物価目標を平均2%とするとした。下振れ傾向にあるインフレ期待を高めるため、しばらくは2%を安定的に上回るまで金融緩和を続けるというものだ。ゼロ金利は23年まで続けるとしている。
リーマンショック脱却後の10年間はリスクオフの円高、リスクオンの円安といわれたが、これは日米金利差を背景に、円で調達してドルで運用するメリットが大きかったからだ。そうした要因が薄れ、現在は金融市場が活況でも円高傾向となっている。
いよいよ100円割れか
日米金利差がなくなってくると、「米国は経常赤字国なので、通貨は売られやすいという基本的な構造がある」(JPモルガン・チェース銀行市場調査本部長の佐々木融氏)。リーマンショック後も同様に、日本の後を追う形で、米国が金融緩和を行い、ドル安が牽引して円高が進んだ。
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