米国では民主党のバイデン氏が2021年1月の大統領就任に向けて準備を着々と進めている。彼にとって北朝鮮政策は優先順位が低い。それでも米国と同盟国である日本と韓国、そして対立を深めている中国が存在する東アジアにおいて、北朝鮮というアクターは無視できないはずだ。
北朝鮮は11月3日の米大統領選挙以降、公式メディアなどではこれに言及せず、沈黙を保っている。金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長は2度の首脳会談を行ったトランプ大統領の再選をどこかで望んでいたに違いない。
バイデン氏はオバマ政権での副大統領当時から今回の選挙戦に至るまで、何度か北朝鮮に向けて発言している。例えば「トランプ大統領が金正恩のような独裁者、暴君を抱きかかえている」(19年5月)と批判したこともあれば、「金正恩と会う用意はある」(20年5月)と述べたこともある。
大統領選最後の候補者討論会でも「(金正恩を指して)悪党を仲間だと思っている」とトランプ大統領を批判しながらも、「核能力の引き下げに同意して、朝鮮半島を非核化地帯にすべきだ」と述べた。
とはいえ、オバマ政権が北朝鮮には「戦略的忍耐」と称し、実質的に「交渉せず」の態度を続けた前例と同様の戦略が続くと思わざるをえない。戦略的忍耐が北朝鮮の核開発に時間を与え、能力を向上させたという批判はあながち間違いではない。それでも「非核化地帯」に向けた意欲がバイデン氏に本当にあるかどうかは疑わざるをえないのだ。
北朝鮮が変わる理由なし
北朝鮮が現在沈黙を続けているのは、そうせざるをえない事情があるからだ。良好な関係だったトランプ大統領への配慮もあるだろうが、来年1月に開催すると公言した朝鮮労働党の党大会の準備で忙しいというのが最大の要因だ。この中で新たな経済5カ年計画の発表も予定されており、とくに準備が入念にされている。
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