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ビジネス #5大商社「次の一手」後編

「食料では産地から消費者までに関わる」 インタビュー/丸紅 副社長 寺川 彰

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てらかわ・あきら 1958年生まれ。81年東京大学経済学部卒業、丸紅入社。2018年に専務、食料グループCEO。20年4月から副社長、食料・アグリ・化学品グループCEO。(撮影:尾形文繁)
丸紅の事業の中で、着実に利益を出しているのが食料事業だ。今2021年3月期の純利益のうち2割弱を食料事業が占める見通しとなっている。コロナ禍で足腰の強さを見せた食料事業をどう成長させていくのか。食料本部を率いる寺川彰副社長に話を聞いた。

──食料事業は新型コロナウイルスの影響がなかったのですか。

足元の業績は期初の想定よりも上振れている。好調なのは食肉関係だ。丸紅グループには米国で牛肉処理加工を行うクリークストーン社がある。高級なアンガスビーフを加工販売している会社だ。米国ではステーキハウス向けの販売は落ちたが、自宅で調理して食べる人が増えたことで需要は高まった。

一方、供給はタイトだった。米国の食肉加工業者で多数のコロナ感染者が発生し、操業停止を余儀なくされた工場が出た。クリークストーン社は集団感染が発生せず、安定操業を続けたことで売り上げを伸ばせた。

──ベトナムにインスタントコーヒーの工場を新設します。

ベトナム工場は22年から供給を開始する見通しだ。ベトナムは世界のコーヒー2大産地の1つ。コーヒーに限らず、こうした産地をしっかり押さえることが重要だ。また、東南アジアや中国において西洋風の食べ物を好む人が増えていく中で、まだコーヒー需要は大きく伸びる余地がある。

丸紅の食料本部にとって、コーヒーは食肉に次ぐ強い分野といえる。日本のコーヒー生豆消費量のうち約3割は丸紅が取り扱っている。

──水産物の分野では20年4月に日本水産と共同でデンマーク企業を買収しました。これは陸上プラントでサーモンを養殖する(海面養殖に比べて水を汚染するリスクなどが少ない)企業です。

買収により、環境に配慮した商品を安定的に確保できる。世界の水産物全体の漁獲高は大体、年間2億トンだが、今や天然物は1億トンを切っている。養殖物のほうが多い。天然物は漁獲高がぶれてしまい、安定的ではない。海外から天然の海産物を買って日本で売るという形のビジネスは成立しなくなっていくのではないか。それならば、安定的に生産できる陸上養殖などの領域のほうが期待できる。

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