「国内の大循環を主として、内外の2つの循環による新しい発展構造の形成を加速させる」
7月30日の中国共産党中央政治局会議で、習近平国家主席が述べた言葉だ。米中対立を含む諸問題が「中長期の持久戦」になるとの認識を示した後の表現で、「国内の大循環」が次期5カ年計画(2021〜25年)の原則になる可能性が報じられる。このため中国の論壇で関心を集めている。
5月14日の中央政治局常務委員会で初登場した「2つの循環」論に関する表現はこの3カ月で変わってきた。同月23日の全国人民代表大会(国会に相当)・全国政治協商会議(国政助言機関)の期間には「徐々に」、「国内循環を主体とする」と表明された。さらに7月30日には「徐々に」が「加速させる」へと変更された。
こうした表現の変更について王一鳴・全国政協委員は「対外開放戦略の方針転換を意味しない」と言う。しかし政策の重点変更は、財政支出と政策手段を通じて資源配分の変更につながるはずだ。
今、「何を」、「なぜ」、国内で循環させるのか。
第1に目指されるのは、外需(純輸出)でなく内需主体の経済構造への転換だ。19年6月13日に経済ブレーンの劉鶴・副首相がこの趣旨を強調していた。コロナ危機で外需の低迷が一層顕著となり、景気対策としても内需に期待がかかる。
第2は、サプライチェーンのつなぎ留めである。製造業の国外移転が進みつつある中、製造拠点を沿海部から内陸へと誘導して「東部で設計し、中西部で加工する」ことで国内にとどめるべきだとの議論が再登場している。
第3は、地政学的な観点からの国産化である。この中には食糧生産、エネルギー調達、そして核心技術および部品の国産化が含まれる。米中戦略的競争が長期化する中で、「持久戦」を覚悟して、「自力更生」し、中長期的に国外依存度を低下させようとする発想が強まる。
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