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「感染症対策は素人には無理、 “日本版CDC"が必要だ」 米CDC元客員研究員の加藤茂孝氏に聞く

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かとう・しげたか 1942年生まれ。東京大学理学部卒業。国立感染症研究所室長を経て2002年米疾病対策センター(CDC)客員研究員。05年に帰国後、理化学研究所に勤務。
2002年から05年まで米CDC(疾病対策センター)で客員研究員として勤務した加藤氏。日本の新型コロナ対策をどう見ているのだろうか。

──CDCとはどのような組織?

私が米国のCDCに在籍していたとき、同時多発テロの後に起きた炭疽菌事件の対応やイラク戦争前の天然痘ワクチンの兵士への種痘など、立て続けに重要なミッションを行っていた。

SARS(重症急性呼吸器症候群)への対応でもCDCが大活躍した。SARSは、03年の初めごろに一気に注目が高まった感染症で、すべての遺伝子配列を最初に解析したのはCDCだった。CDCの中で急きょ10〜20人のグループが作られ、研究員ごとに解析する遺伝子配列の範囲が割り振られた。分業体制をとって一気に結果を出した。この迅速さは感動的だった。

──日本の今回の対応をどのように見ていますか。

米国とは対照的に専門家の機関がない。感染症対策なのに政治家が判断してしまっている。厚生労働省の中で専門家などを集めてはいるが、恒久的な専門家機関を持っていない限り、対応が後手に回ってしまう。

政治家はいくら責任者とはいえ、感染症対策については素人。そうすると、政治的な思惑を持った思いつきの対策になってしまう。学校の全校閉鎖も単なる思いつきだった。もしかしたら効果は大きかったかもしれないが、教育面や経済面の被害も大きかった。

──日本版CDCはなぜ存在しないのでしょうか。

中国や台湾、EUにもCDCはある。ただ日本の厚労省の官僚は、自分たちで対策ができていると思っている。確かに、少ない人数で必死に対応に当たっており、優秀でもある。しかし、そこに感染症の専門家はいない。

加えて、官庁の人事システムにも問題がある。彼らは2年で担当が変わる。03年のSARSや09年の新型インフルエンザの対応を経験した人も、今は担当部署に残っていない。今回の新型コロナウイルスを経験した人も、次に感染症が流行した際にはもう残っていないだろう。そのことを幹部の方に確認すると、「交代の際は引き継ぎを正確にしていますから、決して経験が途切れることはありません」と言うのだが。

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