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金利がなくなった後の世界 世界の資金はどこに向かうのか

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  • 佐々木 融 ふくおかフィナンシャルグループ チーフ・ストラテジスト
ささき・とおる 2015年6月から現職。03年4月からJPモルガン・チェース銀行でFXストラテジストとして金融市場を調査・分析。その前は日本銀行に勤務、調査統計局などを経て、国際局(当時)為替課で為替市場介入を担当、ニューヨークで米国金融市場分析も担当した。(撮影:今 祥雄)

ここ数年動きが小さくなっていたドル円相場が急に大きく動いた。2月21日の112円台から3月9日の101円台まで、約2週間で10円以上急落し、昨年1年間のレンジ以上に動いてしまった。

円安方向を予想していた筆者には予想外の動きで、新型コロナウイルスの感染が世界中に広がっただけではなく、原油価格が1日に30%下落し、米10年国債金利が0.3%まで急低下したことはまったくの想定外だった。こうした動きに、年度末の日本の投資家による為替リスクヘッジの動きも重なって、円高が加速した可能性もある。

以上の要因のうち、今回の急激な円高に最も大きく影響したのは、米10年国債金利の急低下である。これまでの最低値は2016年7月につけた1.3%であったが、今回は2月半ばの1.5%近辺からずるずると低下を続け、3月に入って初めて1%を割り込んだと思ったら一気に0.3%台まで急低下した。これまでの最低水準を1%ポイントも更新してしまったのだ。

実は、112円台から101円台までのドル円相場の急激な下落は、基本的にほぼ10年国債における日米金利差の急縮小に沿った動きとなっていた。相関が強く、基本的に日米金利差が0.1%ポイント動くとドル円相場が1円動く。この相関に基づくと、米10年国債金利が0.2%を下回ってくるとドル円相場は100円を割る計算になる。

しかし、日本の経験では、10年国債金利が0.2%を下回ったのは日銀がマイナス金利政策を導入した後だ。つまり、FRB(米連邦準備制度理事会)がマイナス金利政策を導入しないのであれば、ドル円相場が100円を割り込んで推移する可能性は低いともいえる。もちろん、相関が崩れ予想以上の円高になる可能性もある。しかし、過去1年近く、日米金利差とドル円の相関関係は断続的に円安方向にシフトしてきている。

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