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伝説のカストラート、よみがえる奇跡の歌声 カストラートがテーマのコンサートが2月に開催

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  • 田中 泰 日本クラシックソムリエ協会 代表理事
伝説のカストラート、ファリネッリのためのアリアを堪能できるチェチーリア・バルトリのアルバム『神の声』

今から300年ほど前に実在した伝説の歌手ファリネッリ(1705〜82)の生涯を描いた、1994年の映画『カストラート』をご存じだろうか。「カストラート」とは「去勢歌手」。すなわち少年の美しいボーイソプラノを大人の声に変化させないために去勢を施した歌手のことだ。この施術は16世紀から18世紀のイタリアにおいて盛んに行われていたという。

少年の喉頭(こうとう)のままで成人の肺を持つカストラートは、力強い声の響きと非常に広い声域を備えていた。その音色には独特の魅力があったことから、教会音楽やオペラの世界において活躍し、ヨーロッパ各地に広まった。超一流のカストラートの美しさはまさに破格で、そのステージに接した上流階級の女性たちは失神すらしたという。そのあたりも映画『カストラート』において詳しく描写されている。

ちなみに、幼少時代に優れたボーイソプラノだったベートーヴェンも、危うくカストラートにされそうになったという逸話がある。もしそうなっていたら、クラシックの歴史は大きく変わっていたかもしれない。

現在ではもちろんこの手の施術は禁止されている。カストラートの存在は歴史と伝説の中に埋もれ、当時の彼らのレパートリーは、メゾソプラノやアルトの女性歌手、ボーイソプラノ、あるいはカウンターテナーやソプラニスタといった男性歌手たちが担っている。

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