日本は4月が年度の始まりだが、グローバルな投資家にとっては1月がスタートである。今の時期に、前年末に作った年間予想を基にして、資産の配分を変えていくのである。
その意味で、国際金融市場の監視役ともいうべきIMF(国際通貨基金)の主要な世界経済見通しの発表が4月と10月であり、1月と7月の見通しがマイナーアップデートというのも不思議なことではある。とはいえ、1月のIMF見通しは、やはり年初ということで、世界中の投資家や政策当局者が自らの年間予想と比較してみる重要な機会になる。
先日発表されたIMFの予想では、2020年の世界経済成長率は3.3%と3四半期連続の下方修正、19年は7四半期連続の下方修正である。見通しが修正されるということは、3カ月の間に何か想定外の事象が発生したということになる。だが、これが何四半期も続くとなると、そもそも最初の予想の正確性、妥当性が問われることになる。
IMFの場合、各国政府に対する政治的配慮というバイアスが予想に含まれてしまう面もあるだろう。あるいは、その影響力の大きさゆえに、劇的な修正を避けあえて小刻みに修正しようとするバイアスが働く面もあるかもしれない。
市場予想の観点からすると、IMF見通しの数値それ自体よりも、むしろ「修正の方向性」が重要な情報となる。今年の場合、どこかで連続的な下方修正が終わり、上方修正され始めることが、中央銀行の政策も含めて主要国のマクロ経済政策の潮目の変化を示唆する可能性がある。
官民のバイアスの違い
一方、日本国内でIMF見通しに該当するのは、政府と日本銀行の作成する経済見通しである。こちらには、ある意味でIMF見通し以上に政治的な意図が含まれていると、市場参加者の多くは考えている。政府の経済見通しでは20年度の実質成長率は1.4%だが、この数値は民間(0.5%)や日銀(0.9%)よりもかなり高い。政府の経済対策の成果を誇示する意図が含まれる結果、政府の成長見通しは日銀、民間と比べて高めに作られる傾向がある。
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