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イラン問題が市場の重大リスクに トランプはなぜ、このタイミングで司令官を殺害したのか

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  • 高井 裕之 国際ビジネスコンサルタント
たかい・ひろゆき 神戸大学経営学部卒業、住友商事入社。非鉄金属本部で17年間、うち7年間は英国ロンドンで貴金属や、銅・アルミなどベースメタルの取引を担当。その後、金融事業本部長やエネルギー本部長を経て、住友商事グローバルリサーチ社長。2018年4月から現職。(撮影:梅谷秀司)

1月3日トランプ米大統領はイラン革命防衛隊(IRGC)の精鋭コッズ部隊を率いる“国民的英雄”とされるソレイマニ司令官をドローンで殺害したことを発表。それに対しイランの最高指導者ハメネイ師も報復を表明したことで一気に全面戦争のリスクが高まる事態へと発展した。

司令官の葬儀を終えた8日、イランはイラク内の駐留米軍基地2カ所に対して16発の弾道ミサイルによる報復攻撃を実施。過去に例のない自国内からの米軍施設への直接攻撃という一歩踏み込んだ報復ではあったが、ミサイルは急所を外して着弾、危機一髪で米側には死者はなかった。これは偶然ではなくイランがイラクの人的被害を防ぐため事前通告していたこと、また、同国のミサイル技術の精度が高かったことがある。

この攻撃を受けて米国はさらなる軍事報復はせずに経済制裁で対応する方針を表明、一時は一触即発と思われた中東情勢だが結果的に全面戦争の危機を回避できた。

ここでは当地で得た政権に近い筋からの情報を基に今回の事態が内包する意味を考えたい。

まず突然の司令官殺害だが、米政権がこれまで避けてきた禁じ手である。トランプ大統領はなぜ、このタイミングで使ったのか。それには年末の一連の出来事を理解する必要がある。

12月27日にIRGCが背後にいるイラク・シーア派民兵によるロケット攻撃で米国の軍関係者1人が死亡する事件が発生、その2日後には米軍は報復措置として同国シーア派民兵を空爆し25人を殺害した。シーア派民兵がこれに抗議して集団で大晦日にバグダッドの米国大使館に押し寄せる事態に発展した。年末で報道も少なくそれが大事件への導火線になるとは誰も思わなかった。

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