厚生労働省は再編を検討すべき公立・公的病院を発表したが、各地で反発が起きている。日本病院会は、加入する約2500の公立・民間病院向けに各病院の機能や地域の状況を把握できる独自データの公表に踏み切る予定だ。
──国は団塊の世代が75歳になる2025年に向け、地域の医療体制を見直す「地域医療構想」を各都道府県に作成するよう要請しています。25年に必要な急性期、回復期などの機能ごとの病床数を調整するよう求めていますが、異論があるそうですね。
地域医療構想は一度白紙に戻し、最初からやり直したほうがいい。基になっているデータが間違っているからだ。厚労省は、各病院が病床機能を自己申告したデータを基に25年に必要な病床数を割り出している。しかし、これは病院の自己報告によるもので地域の実情に合っていない。
急性期(病気を発症したばかりの患者の治療)として申告されている病床も、実際にはその後の回復期(治療後のリハビリなど)の病床として使われている病床が多い。実情に合っていないデータを机の上に並べて、各地域で議論をしろと言われても再編が進むわけがない。
そもそも、病床の数合わせをすることは「構想」ではない。地域でお互いの病院の役割分担を考え、将来の地域医療の絵姿を描くのが本来だ。
総合的なデータを出す
──厚労省は地域医療構想の議論を促す目的で再編を検討すべき病院を今回発表しました。これは診療実績と近隣病院に類似機能があるかを分析したデータを基にしています。
このデータにも問題がある。これはがんや心臓疾患など一部の診療実績に限られている。さらに17年7月の1カ月分しか見ていない。これでは偏りがあり、360度から見ているわけではない。病気によっては季節変動がある地域とない地域がある。少なくとも1年間のデータが必要だ。レセプト(診療報酬の明細書)があれば、1年通したものを示せるはずだ。
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