AIを医療現場で活用する動きが活発だ。注目を集めるのが画像診断分野で、2019年はベンチャーの動きも目立った。
消化器内視鏡専門医を20年以上務める多田智裕氏は、17年9月、AIによる内視鏡画像診断システムを開発するAIメディカルサービスを設立した。読影を行う専門医の負担を軽減して「がんの見逃しを減らしたかった」(多田氏)。
まず着手したのが、胃がんの原因となるピロリ菌胃炎だ。3万枚の病変画像をディープラーニングのモデルに学習させたところ、診断精度で人間の医者の平均を超えた。さらに胃がんを対象に研究を進め、6ミリメートル以上の病変で98%の精度を達成。さらに動画でのリアルタイム診断も開発し、94%の水準に達したという。
現在はがん研有明病院など、国内約80の医療機関と共同研究中。内視鏡専門医による質の高い教師データの提供を受け、AIモデルの改善を進める。
まず胃がん診断での薬事承認を目指し、20年中にも治験を始める。「胃がんは病変の周りに炎症があり見分けづらい」(多田氏)ため、参入障壁も高くなるという。その後は食道や大腸・小腸にも対象を広げる。19年10月には約46億円の大型資金調達を実施した。
「対象疾患すべてで最終製品まで開発を終えられるだけの資金を調達した。これからスピードを速めていく」と、病院の院長とAIベンチャーのCEOを兼務する多田氏は意気込みを語る。
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