千葉県房総半島の南端にある南房総市は、2006年に安房郡の富浦、富山、千倉、白浜、丸山、和田の6町と三芳村が合併して誕生した、人口3万7000人の街である。
温暖な気候を利用したアイリス、キンセンカ、ストックなどの花き栽培や、「房州びわ」として知られるビワやミカン、梨、イチジクなどのフルーツ栽培も盛んに行われる。また牧畜も盛んで酪農製品や牛肉などが東京を中心とした消費地に出荷されている。
黒潮が流れ込む房総半島はもともと漁業が盛んだった。とくに旧千倉町は好漁場として勝浦や銚子と並び称され、カツオやヒラマサなどの回遊魚やタイ、イサキ、サバなど豊富な魚種に恵まれている。旧千倉町では毎月第1、第3日曜日に「ちくら漁港朝市」が開かれ、こうした新鮮な魚介類を買い求める地元客や観光客が列をなす。
一方でサンマ漁などでも存在感が大きかったこの街も、近年は不漁に悩まされるようになり、ヒラメやアワビなどの養殖に活路を見いだしている。
東京に近いことから、かつては多くの別荘が立ち並んだが、房総半島は温泉が湧き出る地が少ないことや、道路網・鉄道網が発達していないことなどを理由に、箱根や伊豆といった観光地の後塵を拝してきた感も否めない。
企業や小中学校などの保養所も多く立地していたが、企業の保有財産のリストラや自治体財政の疲弊から閉鎖するところも増えた。以前は東京の小中学生の夏の臨海学校の定番は、房総半島の館山から白浜、千倉、勝浦といった南房総エリアだったが、最近は臨海学校の利用も大幅に減ったという。
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