「東京モーターショー(TMS)2019」が11月4日に閉幕した。2年に1度開かれる国内最大の自動車展示会は今年、大きく装いを変えた。自動車と2輪車に加え、ドローンや電動キックボードなど新しいモビリティーを積極的に取り込んだ。子どもを呼び込もうと「キッザニア」と連携。「未来の暮らし」や「未来の街」の展示エリアもつくられた。
背景にはTMSの長期低迷がある。1991年に200万人を超えた来場者数は、前回の17年に77万人まで落ち込んだ。米国のゼネラル・モーターズやフォード・モーター、ドイツのフォルクスワーゲン、BMWも参加していない。10年以上前からTMSは「曲がり角を迎えている」といわれながら抜本的な変革はなされなかった。そこに今年、変革の風を吹かせたのが、日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)だ。
「販売促進の手段としてのモーターショーの意味合いはかなり薄れてきた」と認めたうえで、「モデルチェンジしていかなければ、ジリ貧のままTMS自体が終わってしまう」と、コンセプトを大きく変えたのだ。
「トヨタ」と「豊田」の大号令でNTTやパナソニックといった異業種の大企業が参加。実際の展示は玉石混淆で試行錯誤の域を出ないものの、TMSを変化させようという意欲は伝わってきた。もっとも、自動車メーカーで展示内容を大きく変えたのはトヨタだけで、他メーカーは従来踏襲だった。
一方、トヨタのブースは、多用途に使える自動運転車など未来のモビリティーが中心で、現在販売中や発売予定の自動車はなかった。来場者からは新機軸に戸惑いの声も出ていた。
TMSの開幕前日には、メディアに対し各社が新車のお披露目や、自動車の新しい技術や戦略の発表が行われるのが通例だ。ここでも豊田社長は異彩を放った。未来のモビリティーとして紹介したのは、なぜかダンスパフォーマンスとローラースケートを履いて使う、タイヤのついた「魔法のホウキ」。「自動化が進めば進むほど、人間が大切になる」と強調したが、このプレゼンテーションに大半のメディアは困惑を隠せなかった。
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