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日本のシニアが抱える「心の貧困」という問題 急速に薄れつつある「豊かな国・日本」のイメージ

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先日、東京都内のファミリーレストランを訪れた。低価格が売り物で、若者客が多いチェーン店である。一緒に行ったのはタイ人の母子。彼女は10年以上日本で働き、日本人と結婚し、生後7カ月の赤ちゃんがいた。

われわれのすぐ横に70代らしき男性が座っていた。こちらの赤ちゃんがスプーンでテーブルをたたいていると、その男性は「うるさい、静かにさせろ! 子どもの面倒も見られないのか」と怒鳴り出す。周囲もあぜんとして、赤ちゃんもしばらく声を出さなかった。

タイ人の彼女は何も言わずに、そっと赤ちゃんを連れ出し、しばらく帰ってこなかった。その間にその男性は悠々と食事をして、平然と出ていく。周囲の客や店員は「ここは高級フレンチレストランじゃない。ファミレスで子どもが騒ぐのはある程度仕方のないことだ」と口をそろえていた。

戻ってきた彼女を気遣うと「慣れている。日本ではよくあることだ」と話す。一方で、「タイでは絶対にこんなことはない。子どもは皆であやすものであり、あんな態度を取れば、人格を疑われる」という。

このような風景が日常的に見られる日本社会を、外国人はどう思うだろうか。先のタイ人女性は「子どもを産み、女性や子どもに対する日本社会の冷たさを実感している」という。われわれにとっては何とも耳が痛い話である。さらに「日本が好きだから10年以上働いてきたが、これからもここで暮らしていくか、心が揺らいでいる」と言われ、暗澹(あんたん)たる気持ちになった。

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