石が流れて木の葉が沈む。こんなアベコベがいつまで続くのか。マイナス金利のことだ。
英フィナンシャル・タイムズ紙によれば、世界で15兆ドルもの債券の利回りがマイナスなのだという。全世界の全債券の4分の1に及ぶ。日本国債は15年物までマイナス、ドイツやオランダの国債は30年物まで、スイス国債に至っては50年物までマイナスだ。半世紀お金を預けた揚げ句、元金が減って戻ってくるとは、どういうことか。
中央銀行が政策金利をマイナスにするのは、デフレ転落を恐れるからだろう。民間銀行は中銀の当座預金口座に金を入れると一部で金利を取られる。預けて金利を取られるくらいなら、貸し出しに回し、設備投資拡大に資せよ、というのが中銀のご託宣だ。
だが、50年物国債のマイナス利回りは、50年先はデフレの公算大と予想していることを示している。50年先もデフレなら、誰が設備投資に金を貸すのか。民間銀行はマイナス金利の、つまり価格がバカ高い、いつ暴落するやも知れぬ債券や怪しげな証券化商品に手を出すしかない。
スルガ銀行やかんぽ生命保険のモラル荒廃を免罪しようとは思わない。だが、金融機関が追い詰められ、デフレ不安も一向に払拭されていないのは間違いない。マイナス金利深掘りは、人々の予想をもう一段デフレに押しやるだけだ。
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