AI、データ分析領域のパイオニアである安宅和人氏は、「世界のイノベーションの重心が中国に移動している」と言う。その真意を聞いた。
──デジタル分野をはじめ中国の技術進化の速さをどう見ますか。
中国はとにかくやばい。ここ2~3年、驚くようなサービスは米シリコンバレーではなく、ほとんど中国から生まれてきている。つまり中国をウォッチしないともう世界の最先端がわからない。中国はすでに「世界のイノベーションセンター」というのが私の見解だ。
例えば、中国で突然現れた今日頭条(ジンリートウティアオ)というニュースアプリは、中国最大のユーザー数を誇ったテンセントニュースをわずか8カ月で抜いた。この会社が3年ほど前に抱えていたデータサイエンティスト(データ分析科学者)は社員2500人のうち、なんと800人。人材の質が違うとはいえ、14年にグーグルに買収されたときのディープマインド(アルファ碁を開発した英国のAI企業)でさえ300人程度だから、どれほど飛び抜けた数かわかる。
新陳代謝もとにかく速い。シェア自転車のofo(オフォ)が成功したと思ったらすぐ沈む。もともとドッグイヤー(技術進化の速度を犬の成長の速さに例えた用語)だった業界の中で、さらに5倍速の“ドラゴンイヤー”になっている。異常なスピードで新陳代謝が行われていて、200を超すユニコーン企業が生まれている。
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