インドネシアのビルの一角にあるセミナー会場で、現地人の数学教師が一心に電卓を操作する。指導しているのはカシオ計算機の社員だ。カシオは昨年9月、インドネシア教育文化省と科学・技術・工学・数学(STEM)教育分野において同国の教師や学生の能力開発に寄与するためのパートナーシップ契約を締結した。狙いは関数電卓の市場開拓だ。
関数電卓とは通常の電卓に備わっている四則演算や百分率の計算機能以外に高校数学で学ぶような微積分や対数、三角関数などの計算機能を持つ電卓のこと。通常の電卓は日本で廉価品なら数百円で購入できるが、関数電卓は数千円、高いものでは数万円する。
カシオ全社の売上高のうち約3割は教育事業によるもので、そのうち関数電卓など電卓の売り上げが半分を占める。利益率も16%と高い。欧米や東南アジアが商売の中心で、教育関数BU事業部長である太田伸司執行役員は、「親が子どもたちの教育に投資を惜しまないのは万国共通」だと話す。
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