神戸市は兵庫県の南部に位置する人口約152万人の政令指定都市だ。六甲山地が市の東西にまたがり、海が迫る。神戸は海と山、両方の豊かな自然に囲まれ、扇状に広がる水深の深い港湾を有することから、世界の貿易港として発展してきた街である。
貿易以外にも鉄鋼、造船、機械など原材料を輸入して加工する産業が沿岸部に発達。また古くからの港町として多くの洋館が軒を連ね、その独特の風情が観光客に親しまれてきた。
神戸は行政による積極的な街づくりでも話題となってきた。海に迫る丘陵を造成して住宅地を開発し、削り取った土砂で海を埋め立て、工場を誘致した。この方式はまるで民間会社による開発事業のようであったことから「株式会社神戸市」とも揶揄された。
埋め立てで誕生したポートアイランドで1981年には神戸ポートアイランド博覧会(ポートピア)が開かれ、88年には六甲アイランドでも住宅入居が開始された。
こうした「元気な街=神戸」に惨禍をもたらしたのが95年1月の阪神・淡路大震災である。この地震では市内のほぼ全域で震度7を観測。社会インフラの多くが損壊した。震災の影響は神戸市を「人が逃げ出す街」に変貌させることになった。震災前の94年に152万人だった人口が95年10月には142万人とわずか1年で7%近くも減少する事態に陥ったのだ。
その後、懸命な復興事業のおかげで街は活気を取り戻し、人口も2000年代に入って150万人台へと回復し震災前の水準を上回った。ところが、震災で神戸から転出した多くの企業が神戸に戻ることはなく、街は大阪に通勤する人のベッドタウンへと変質していく。住民の高齢化も悩みの種だ。
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