市場による期待の大きさから「エナジーテックの雄」と目されてきた電力ベンチャーのパネイルが、大規模な事業転換に踏み切る。
2018年9月期に電力小売り事業で多額の赤字を計上。債務超過こそ回避したものの、30億円強あった資本の大半が毀損したもようだ。販売電力量では新電力会社のランキングで10位前後(子会社を含む)まで成長を遂げたが、パネイル本体で手がけてきた官公庁向け電力販売の契約を今年9月末までに全国の各大手電力会社に引き渡す。
「東日本電力」など7子会社が担ってきた企業向け電力販売も、東京電力グループのテプコカスタマーサービスに移管する。名越達彦社長(38)によれば、「移管手続きは9割方終えた」という。
飛ぶ鳥を落とす勢いで急拡大を続けてきたパネイルは、いったいなぜ、電力小売りの撤退に追い込まれたのか。
理由は電力の調達価格高騰にある。小売りで必要な電力の多くを卸電力市場に依存してきたところに、18年1〜2月の急激な気温低下による需給逼迫が直撃。その後も調達価格の高止まりが続き、「小売りの採算が合わなくなった」(名越氏)という。
パネイルは自社開発した独自の取引システムによりローコストオペレーションを構築。全国規模で電力販売を拡大していったが、自社電源なしでの急拡大が裏目に出た。
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