文化庁によると、日本の寺の数は昨年末で7万6000を超えている。これは全国にあるコンビニの数よりも多い。
だが、約7万6000あるうちの約2割近くが、経営難などによる不活動寺院といわれる。住職が専業ではなく、教員、自治体職員、農協職員、葬儀社社員、会社員と兼職して支えている寺があるし、1人がいくつかの零細寺院の僧侶を兼務して支えていることも多い。これらは全体の5〜6割と推計されている。
経営的に自立しているのは半分以下の3万程度だろう。「僧侶は儲かる」「寺は檀家からの寄進でぼろ儲け」という世評は一部の大規模寺院にのみ該当する話で、経営困難にある寺、貧困を余儀なくされている僧侶は少なくない。
寺の収入源の最も大きなものは葬儀・法事の布施。300の檀家を持つとすると、収入と支出は以下のような感じとなるだろう。
年間葬儀数は20件程度、1件30万円として、収入は600万円となる。法事100件×3万円で300万円、盆・彼岸などで300件×5000円=150万円。墓の管理料などが4000円×200件で80万円、その他収入80万円。合計は1210万円だ。
支出も見ていこう。僧侶の人件費・社会保険料などで400万円となる。その他の人件費200万円、維持・修繕費200万円、行事費300万円程度だろうか。本山・支所等負担金100万円、交通費40万円、会報費30万円、その他もろもろの経費が50万円とすると、締めて1320万円となる。
収入から支出を引いた赤字額は110万円。これに対して人件費など支出を削減する方法を取るか、新事業を企画して事業収入で補うか、などの選択を迫られる。新事業の候補には駐車場賃貸、墓地造成、幼稚園経営などがある。
葬儀・法事の布施は僧侶個人の収入ではなく、宗教法人である寺の収入で、僧侶は寺から給料を得てそこから所得税その他を支払う。
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