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老後2000万円の本質 年金の虚構を捨てるべし

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金融庁は6月3日に発表した報告書で、老後の生活資金の不足分2000万円を積み立てる必要があるとした。それを受けネットは炎上。野党は、7月の参議院選挙を前に絶好の攻撃材料を見つけ、批判する。

正直に言うと、巨大な貯蓄を取り崩す必要があるという点は事実だ。ネットの炎上は、人々がその事実を知ってびっくりしたにすぎない。金融庁は、つみたてNISAの宣伝をしたかっただけだろう。2000万円という数字は、毎月5万円の高齢者世帯の赤字が、人生100年時代に65歳から95歳まで30年間続いた場合、累計約2000万円になるという単純なものだ。

この報告書で間違っているのは、これを65歳までに積み立てておかなくてはいけない金額としたところだ。NISAで投資信託などを運用したときには運用益がある。いくら何でも30年間ゼロ金利が続くわけではないだろうから、預金でも利息収入が見込める。また、高齢世帯は75歳くらいまで年を取ると、消費額が減って収支は黒字に転じる。サラリーマンは、65歳までに退職金を受け取るので、若い頃から2000万円も積み立てる必要はない。人によって条件が違うので、「皆さん、2000万円ないと足りませんよ」と呼びかけるのは、不安心理をあおることになる。

反対に、過小評価の面もある。将来の年金改革で受取金額が実質的に減ることを織り込んでいない。物価上昇も想定していない。老後の病気への備えはなくてよいのかという疑問もある。

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