インドのデジタル経済が飛躍を遂げつつある。恩恵は広範囲に及び、経済効果は2025年までに最大で5000億ドル(約55兆円)に達する可能性がある。
インドのデジタル化ペースは、先進・新興17カ国で2番目に速い。発射台が低かったこともあるが、それでもインターネット加入者数は過去5年間で倍増した。昨年、ダウンロードされたアプリの数は123億で中国に次ぐ2位。ソーシャルメディアの利用時間は週平均17時間と、米国を上回る。
公共・民間部門の双方がデジタル革命を後押ししているのだ。
インドでは生体認証技術を用いた国民IDシステム「アドハー」が導入され、公共サービスの多くが同システムに連動。13億人の総人口のうち12億人超が登録を済ませ、各方面でサービスのデジタル化を促している。8割の国民がオンラインの銀行口座を持ち、政府給付金の大半がアドハーにひも付けられた口座に送金される。
民間部門の競争のおかげでデータ利用料は13〜17年で95%低下し、スマートフォンも手頃な値段になった。こうしたコストの低下を受けて、インドのインターネット利用者のデータ通信量は昨年、月平均8.3ギガバイトに到達。中国の5.5ギガバイトを上回る。
全方位の好循環
さらに起業家のイノベーションと相まって、インドのデジタル化は全方位的に加速。ビジネスのあり方を変え、生産性や経済成長を牽引する好循環が生まれつつある。
中でも大きな恩恵を受けるとみられるのが、金融、農業、医療など、これまでデジタル化とは縁遠いと考えられてきたセクターだ。
金融サービスではデータが蓄積されたおかげで担保や保証に依存しないキャッシュフローベースの融資審査が拡大。新たな貸出先の開拓につながっている。インド最大の国営インドステイト銀行では、キャッシュフローベースの自動審査を導入してから中小・零細企業への貸し出しが5割増加した。
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