大学は教育・研究機関であるが、それを支えるのは安定的な財務基盤だ。早慶の財務力を点検してみよう。
大学の財務諸表は企業会計とは記載方法がかなり違う。お金の出入りは、大きく「教育活動収支」「教育活動外収支」「特別収支」の3つに分かれている。企業会計に例えると、「営業利益」「営業外損益」「特別損益」の概念に近い。
大学財務の健全性を測る際、いちばん参照されるのが、教育活動収支と教育外活動収支を合計した「経常収支差額」だ。企業の「経常利益」に近い。
これが安定的に黒字ならば、財務上それほど心配はいらない。つまり、授業料や入学金、寄付金、補助金、資金の運用などの収入合計と、人件費や教育研究費などの支出合計で、健全な黒字になっていることになる。
この数字を見ると、早稲田は49億円、慶応は61億円。ともに悪くない水準だ。早稲田は財務的な目標を「経常収支差額は50億円以上」(宮島英昭・常任理事、商学部教授)としており、少しだけ未達だったがほぼ確保した。
経常収支の差額は慶応が大きい。これは、①寄付金、②資金の運用益(受取利息・配当金)の差によるところが大きい。
教育活動収入に含まれる寄付金は慶応が41億円なのに対して早稲田は27億円。寄付金には特別収支(特別収入)に含まれるものもある。さらに現物寄付も加えた寄付の合計は慶応93億円に対して、早稲田37億円だ。
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