マネーロンダリング(資金洗浄)疑惑が止まらない。今回、舞台となったのはバルト海に面したエストニア。デンマークのダンスケ銀行が同国を経由し2250億ドル(約25兆円)を不正送金した疑いが浮上している。
しかし、米欧は協調して問題に対処するどころか、批判合戦に明け暮れている。米財務省は少し前にも、「資金洗浄やテロ資金への対策が不十分」として4つの米領地域(米領サモア、グアム、プエルトリコ、米領バージン諸島)をブラックリストに載せた欧州委員会を厳しく非難したばかりだ。
現在のような資金洗浄が姿を現したのは、それほど昔ではない。1980年代後半から世界的に金融規制が緩和されたことで脱税が急増した。しかし、各国政府がこの問題に真剣に取り合うようになったのは2001年9月11日に米国が同時多発テロに見舞われ、資金洗浄とテロ資金との関連があらわになってからである。
にもかかわらず、米連邦最高裁判所は驚くべきことに「ダークマネー」(非営利組織を隠れみのにした闇の政治献金)への上限規制を認めていない。米国では16年の大統領選挙にロシアが介入したとの疑惑が浮上し、資金洗浄は国家の安全を脅かす問題として再び関心を集めるようになっている。
9.11テロを受けて01年に米国で愛国者法が成立して以来、顧客の素性の確認を怠った銀行には巨額の罰金が科せられるようになった。資金洗浄に使われる偽装口座を国際金融システムからあぶり出すのに、愛国者法は確かに大きな役割を果たした。
恐るべき米国の例外規定
問題は、法律の適用が金融部門にとどまっていることだ。不動産部門のほか、米デラウェア州ウィルミントン市を“本社”とする無数のダミー会社は02年以降、同法の資金洗浄対策規定の対象から外されている。顧客との守秘義務に守られた法律事務所も同様だ。
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