「テクノロジーが人々の生活を奪うようなことがあってはならない」
3月21日、米国・ロサンゼルス市で同市港湾委員会が開いた大手輸送会社の無人電気貨物トラック導入計画をめぐる公聴会。自動化に反対する1200人超の労働者らが会場を埋め尽くした。乳児を抱いた男性港湾労働者は、ロサンゼルス・タイムズ紙のビデオ取材に対して冒頭の言葉をぶつけた。
米国のブルッキングス研究所の報告書「自動化とAI(人工知能)」によると、米国で2030年までに自動化される可能性が高い仕事(リスク70%超)は全雇用の25%だという。1位は「調理・配膳給仕」でリスクは81%、2位が79%の「製造関係」、3位が60%の「オフィス・事務補助」と続く。9位までは大卒資格が必要ない職種だ。平均年収も5万ドル未満と低賃金だ。
「自動化は高学歴・高所得者に大きな恩恵をもたらすが、低・中スキルの労働者には不利だ」と、米ライス大学でコンピューター科学を教えるモシェ・バルディ教授は指摘する。例えば8位の販売関連職では、すでにロボコールや無人レジ、無人店舗、eコマースの普及が電話営業や小売業の販売職に影響を与えている。
これまで多くの中流層を生み出した製造業も自動化リスクが高い。地方に住む50代の男性工員が失業したら、転職の選択肢は低賃金の職業しか残されていないだろう。
自動化の進展で新たな雇用の誕生も
一方、自動化が雇用を奪うといった予測は表面的な話にすぎないと指摘するのが、カリフォルニア州のスタートアップ・ヒューマンラジウス社のブラッド・クーパーCEOだ。同社は企業の自動化支援などを行うが、クーパー氏は「反復性や低スキル職などの観点だけで自動化リスクを測るのは視野が狭い」と語る。
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