有料会員登録 東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #グローバルアイ

世界銀行新総裁に求められる資質 ジム・ヨン・キム総裁が突然の退任

3分で読める 有料会員限定

世界銀行のジム・ヨン・キム総裁が突然退任することになったが、これは創設75周年を迎える世界銀行の方向性が正しいのか、政策がどこまで有効だったのかを見つめ直すチャンスだ。世界銀行も他の国際機関と同じく、近年はそのエリート主義が批判されている。グローバル化を推し進める昔ながらの手法では、恩恵を広く行き渡らせることができなくなっているからだ。

こうした批判を受けて、昨年10月の20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議(G20)では国際金融枠組みの改革案が示された。

国際開発金融機関の使命は、途上国が直面する大規模かつ切迫した問題の解決を支援することにある。例えば、未曽有の速度で進む都市化に対処するには、世界のインフラを今後15年で倍増する必要がある。アフリカの人口爆発にも対応しなければならない。途上国が脱炭素社会に移行し、持続可能な経済成長が実現できるよう基盤づくりを進める必要もある。対応に失敗すれば、難民や失業が増加し、世界はもっと不満と怒りに満ちた場所になってしまうだろう。

世界銀行の次期総裁は、こうした背景を踏まえたうえで選出されなければならない。指導力に富み、管理能力や政治手腕に長けた人物を候補者にしたいと理事会が考えるのは当然だ。しかし私たちに言わせれば、最も大切な資質とはそのようなものではない。世界銀行の野心的で壮大な使命を丸ごと受け入れ、G20で示された改革を成し遂げられる人物であるかどうかが一番の選出基準であるべきだ。

国際機関のトップ選出手続きは組織によって異なる。米州開発銀行では二重の多数決が必要で、出資額に応じた加盟国の議決権数に加え、加盟国が任命する総務の過半数からも支持を獲得しなければならない。一方、国連の事務総長は安全保障理事会の推薦を受けて総会が任命する流れだ。どちらも国際協力の精神を保つため、政策が特定の国によって支配されるのを防ごうとしているのである。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数