米トランプ政権は2回目の米朝首脳会談に向けて詰めの作業を行っている。では、現在の膠着状態を破り、交渉を前に進めるにはどうすればいいのか。
北朝鮮は非核化を前進させる条件として、朝鮮戦争の終戦宣言を要求している。一方の米国は昨年10月、終戦宣言を「最終的かつ完全に検証された非核化(FFVD)」の後に来る「最終状態」と位置づけ、強硬路線に回帰した。
確かにこのような強硬路線は米ワシントンでは受けがいい。だが米朝が互いに一歩も譲らなければ、再び首脳会談を行っても状況は打開できないだろう。突破口を開くには終戦宣言に応じる必要がある。
米メディア「Vox」の昨年8月の報道によれば、シンガポールで行われた昨年6月の米朝首脳会談でトランプ米大統領は「会談後すぐに終戦宣言に署名する」と金正恩(キムジョンウン)委員長に口約束していたとされる。これが事実なら、金委員長が合意済みと考えている譲歩を棚上げにしているのは米国ということになり、これが原因で非核化交渉がもつれた可能性がある。
終戦宣言に向けて一歩も踏み出さなければ、米国は交渉相手として信用されなくなるだろう。実際、北朝鮮に非核化の前進をのませ、核の脅威を減らすには、終戦宣言は不可欠といえる。終戦宣言は韓国の文在寅(ムンジェイン)政権にとっても重大関心事であるため、棚上げを続ければ、米韓の亀裂も深まりかねない。
終戦宣言は「平和条約」や「平和体制」といった言葉と一緒くたにされることも少なくない。ただ、新アメリカ安全保障センターのドゥヨン・キム氏によれば、韓国政府は終戦宣言と平和条約、平和体制という3つの言葉を明確に区別している。いずれも朝鮮半島の和平プロセスではあるが、終戦宣言はその手始めとなる政治声明にすぎず、象徴的な意味合いが強い。
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