トランプ米大統領がシリアからの米軍撤収を決めたことで、在韓米軍の撤収も現実味を帯びてきた。
トランプ氏は以前から在韓米軍を引き揚げ、北朝鮮との関係を改善することに関心を示している。駐留経費について韓国の負担が少なすぎると繰り返し批判し、駐留軍縮小の可能性を探るよう米国防総省に指示したとも伝えられる。米韓合同軍事演習は「費用がかかり」「(北朝鮮に対して)挑発的だ」として、すでに中止された。
在韓米軍の撤収が決まれば、朝鮮半島をめぐる安全保障環境は根本から変わらざるをえない。
韓国と日本にとって、駐留米軍の存在は自国への攻撃を抑止する「トリップワイヤ(仕掛け線)」の役割を果たしている。日韓を攻撃すれば、自動的に米国が介入してくるため、うかつには手が出せないというロジックだ。
ただ在韓米軍撤収を阻止しようと、米議会がある法律を成立させていることはあまり知られていない。国防予算の用途を規定した2019会計年度国防授権法である。
確かにトランプ氏の暴走を止めるには力不足のきらいはある。授権法の運用は、国防長官次第のところがあるからだ。シリアからの米軍撤収を受けてマティス国防長官が辞任した今、トランプ氏はもっと自身の考えに近い人物を国防長官に据えるチャンスを手にしている(編集部注:マティス氏はトランプ氏に苦言を呈することのできる最後の閣僚とされていた)。それに在韓米軍が撤収しても、米韓相互防衛条約には違反しない。
とはいえ授権法では、国防長官が認めない限り在韓米軍は2.2万人を下回ってはならないとされている。仮に国防長官が規模縮小を認めたとしても、議会に次の3点を証明する必要がある。まず米国の国益にかなうこと。次に同盟国の安全が大きく損なわれないこと。そして同盟国と協議済みであることの3点だ。かつてカーター元大統領の在韓米軍撤収計画は、同様の条項によって反故になった。
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