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ライフ #人が集まる街 逃げる街

大阪市ミナミは外国人客殺到で地価が高騰 ドラッグストアやホテルが林立

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  • 牧野 知弘 不動産事業プロデューサー

大阪市の「ミナミ」といえば、大阪を代表する繁華街だが、ミナミという地名があるわけではない。ミナミは同市の中央区と浪速区にまたがるエリアにあり、道頓堀、難波、千日前近辺の繁華街を指す。この付近の宗右衛門町、九郎右衛門町、櫓(やぐら)町、坂町、難波新地はかつて「南地五花街」と称された。戦後、花街は姿を消し、代わって劇場、映画館、バー、キャバレー、飲食店などが立ち並ぶようになったのだ。

ミナミと聞いて多くの日本人が思い浮かべるのは、道頓堀川に架かる戎(えびす)橋だろう。戎橋のたもとにあるグリコやかに道楽の巨大な看板やドン・キホーテのど派手なネオンが瞬くさまは大阪名物だ。プロ野球の阪神タイガースが優勝した年は、歓喜のあまり多くのファンが戎橋から川に飛び込むさまが全国的に話題となった。

千日前と道頓堀川に挟まれたエリアには、水掛不動尊で有名な法善寺がある。この寺で水かけをして願をかけると、商売繁盛や恋愛成就につながるといわれ、地元民に親しまれてきた寺である。

その寺の北側には、織田作之助の小説『夫婦善哉』や藤島桓夫の歌謡曲で有名な法善寺横丁がある。割烹料理店やバー、お好み焼き店、串かつ店などが軒を連ねる風情ある通りだ。

ミナミは大阪の匂いが最も立ち込めるエリアであるが故に、これまでは東京などから出張で来るよそ者には行きにくいと思われてきた。かつては戎橋辺りを歩くと、強烈な関西弁が洪水のようにあふれてきて、たまに東京からやってくる私でも相当なプレッシャーを感じる街だった。

ところが今、ミナミを歩くと聞こえるのは外国語ばかり。中国語、韓国語、英語、タイ語、タガログ語など言葉の洪水状態だ。地元民以外は行きにくかった街に外国人観光客が押し寄せているのだ。

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