2013年12月8日、シンガポールにとって衝撃的な事件が起きた。44年ぶりの暴動だ。
インド人労働者がバスにひかれた事故をきっかけに混乱が発生。約400人の外国人労働者が、駆けつけた警察車両や救急車に襲いかかり火をつけた。
事件の現場は中心街に近いリトルインディア。休日の日曜だったこともあり、インドなどから来た労働者らが集まっていた。人が集まる場所と曜日だっただけに暴力は拡散。メディアには黒焦げになった車両の映像や写真が流れた。デモなどを厳しく制限する統制国家のシンガポールだけに、国民の間に激震が走った。
その後、政府は治安維持を強化するために、監視カメラを増設。街灯型監視カメラを11万本設ける計画などを打ち出している。
1人当たりGDP(国内総生産)が5万8000米ドルとアジアの国々で最も豊かで、急速な経済成長を遂げるシンガポール。出生率が1.20と日本の1.44(ともに16年)より低いため、少子高齢化が加速している。労働力が足りず、移民に頼らざるをえない状況だ。

シンガポールの外国人向け労働ビザには3つある。管理職・専門職向けで月収3600シンガポールドル(約29万円)以上が対象のエンプロイメントパス(EP)。中級技能者向けのSパス。そして、ワークパーミット(WP)だ。
WPは「単純労働」向けと位置づけられ、建設やメイド、飲食店で働く低技能者が対象となる。外国人労働者の7割をWPが占め、人口560万人に対しWP保持者は約100万人にも上る。
出身国は中国やインド、バングラデシュなどだ。中国系、マレー系、インド系(主に南インド)からなる多民族国家だけに、国内では英語に加え北京語や中国の方言、南インドのタミル語も通じる。出身地が同じ労働者なら言葉の壁もなく、管理しやすいという利点がある。
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