最新の建築技術を身に付けたいと来日した30代のベトナム人男性が実際に従事したのは、自らの専門とはまったく異なる業務だった。「関東の結婚式場の洗い場や店舗内の荷物運び、揚げ句に連れていかれた東北地方では製造現場で働かされた」(男性)。
母国で建設関連の学位を取得したこの男性は、経験年数や学位などが求められる専門的・技術的分野の在留資格の1つ「技術・人文知識・国際業務」で入国している。
日本の外国人労働者約128万人のうち、専門的・技術的分野は約24万人と2割弱を占める。政府が積極的に受け入れる姿勢を一貫して取っている高度人材もこの分野に含まれ、今後も増加すると見込まれている。
専門的・技術的分野での在留資格の取得には、日本人がその仕事に従事する場合の報酬と同等以上の賃金が支払われることが必要だ。おおよそ月20万円以上が目安とされており、法務省入国管理局に提出された書類では男性の給与もその水準だった。
ところが男性に示された労働条件通知書では、基本給は月13万円。入管に提出された書類の賃金額は、80時間近くの「固定残業代」を含んだものだった。在留資格問題に詳しい関係者によれば、「専門的・技術的分野はハイスキルな人材という建前上、技能実習や留学生のアルバイトにおけるような人権侵害のおそれは想定されず、入管のチェック機能も甘い」という。
中でも「『技・人・国』と呼ばれる技術・人文知識・国際業務は範囲が広いため、業務を偽装する抜け穴に用いられやすい」(同)。専門的・技術的分野のうち、「技・人・国」が約21万人と大半を占める。
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