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「関税野郎」を演じるトランプ 通商タカ派が受け続ける限り

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「タリフマン(関税野郎)」を名乗るトランプ米大統領に、ここでクイズ──。トランプ氏は貿易によって米国の雇用がめちゃくちゃにされたと言い張っているが、米国の失業率は平時としては70年ぶりの低水準にある。原油を除く米国の貿易赤字は過去最大となっているのに、失業率が低下し続けているのはなぜか。

トランプ氏には理解できないかもしれないが、貿易赤字が膨らむ一方で雇用が改善するのは異常なことでも何でもない。むしろ米国にとっては普通だ。景気が上向けば、雇用と輸入はどちらも増える。企業が採用を増やし賃金を上げれば、消費は増え、服やスマートフォンなどの輸入が増える。需要の増加に応えようと企業が投資を増やせば、各種設備の輸入も増える。ちなみに、米国の輸入の大部分は企業が使う設備や資材だ。

米国の経済成長率は現在、貿易相手国より高い。2011〜18年に米国は年率2.1%の成長を続けてきた。欧州はわずか1.3%。日本は1.1%だ。このように米国経済が他国より好調な場合、米国の輸入は増え、輸出は滞る。経済が不調な貿易相手国は米国ほど多くを輸入できないからだ。貿易赤字は当然の帰結といえる。

米国の赤字が膨らんでいるのは、中国、日本、メキシコ、ドイツによる策略でも何でもない。これは経済の法則である。その証拠に「タリフマン」は中国に貿易戦争を仕掛けたが、米国の中国向け輸出は18年10月、数年ぶりの低水準に沈んだ。反対に中国からの輸入は過去最高を更新している。

トランプ氏が自らの行動で貿易赤字を余計に増やしてしまったのは皮肉というほかない。単に経済が好調なだけなら、ここまで赤字が増えることもなかっただろう。

まずトランプ氏が行った大規模法人減税によって成長率が一時的にかさ上げされ、輸入需要が高まった。さらに株価が上昇したことで利上げ見通しがいっそう現実味を帯び、海外資金を一段と米国に吸い寄せることになった。これが00年代初頭以来のドル高につながり、米国の輸出競争力は低下。反対に米国の購買力は高まり、輸入増を招く結果となった。原油を除く米国の輸出は12年比でたった6%しか増えていないのに、輸入は実に24%も拡大している。

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