サラリーマンだから長い休みが取れない。現地滞在時間が短いのはいつものことだ。だが、日本から地球の裏側となる南米まで来て現地2泊というのは前例がない。2カ月連続の南米行きなのだから、休みが短いのもやむをえないのだが……。
今回目指したのはチリの北部に広がるアタカマ砂漠。玄関口となるカラマのエルロア空港に一人降り立ち、レンタカーを借りたのは午前10時。翌朝は返却するだけだから、この日の日没までが勝負。あらかじめ日の出・日の入りの時刻を調べ、グーグルマップで訪問地間の移動時間を概算してある。
砂漠の一本道は路面状態も良好なので調子に乗って疾走していると、道沿いに交通事故の犠牲者を弔う十字架やマリア像が点在していることに気がついた。
最初に向かったのはアンデス山脈の高地、標高4010メートルにあるトゥヤイト湖。グーグルマップの空中写真で確認していたとおり、湖面は青白く輝いていた。空には雲一つなく、高地特有の群青色が美しい。
いつまでも眺めていたいが、車のドアが閉まってしまうほどの強風のため車の外には5分と立っていられなかった。
世界有数のリチウム生産地
その後二つの湖に寄り、観光の拠点となるサンペドロ・デ・アタカマの町を目指す道中、アタカマ塩湖を遠望した。アタカマ塩湖は絶景で知られるボリビアのウユニ塩湖に次ぎ、世界第2位の面積を誇る。琵琶湖の約5倍というこの塩湖では、世界のリチウムの約3割が生産されている。アンデス山脈はかつて太平洋の海中にあり、塩分を取り込んでいた。それが数百万年前に隆起して、いま世界中の蓄電池を支えているのだ。
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