6月2日号の本コラムで筆者は「想定外の原油高をどう見るか」と題し、年後半には需要減退と投機筋の手仕舞いから弱含みの展開になると予想した。当時は世界的な需要の堅調に加え、米国の核合意離脱でイランが減産するとの思惑と、ベネズエラの予期せぬ生産障害が重なり、先物での思惑買いがブレント原油相場を1バレル当たり80ドル超まで押し上げていた。
あれから5カ月、原油相場は8月末に一度70ドルまで調整した後、10月初めには85ドル超まで再上昇するも、そこから急落し、足元(11月15日現在)で65ドルをつけている。年初も65ドル前後だったので、5月の80ドルと10月の85ドルの、大小二つのコブを持つラクダの背中のような軌跡をたどって出発点に戻ったことになる。
結果的に筆者の相場観は正しかったが、10月の山は想定外であった。油価は10月からはほぼ一直線に下落し、11月には12日間連続で下落するという異常事態となった。
わずか1カ月半間で20ドルも急落する現象は需給だけでは説明できず、先物市場の内部要因が絡んでいる。先高への期待感から先物やオプション市場でポジションが膨らんでいたが、その期待が剥げ落ちる過程で建玉の手仕舞いが入り、油価が下落したことは、想像に難くない。米国株式市場の下落もほぼ同時に起きていることから、機関投資家によるリスク縮減の一環として原油先物も売られたのであろう。ヘッジファンドが年末の償還期限をにらんで、建玉解消に動いたと考えられる。一部情報によると、米国の原油先物市場で一度に5万枚の売り物が出たとされる。
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