日本最南端に位置する沖縄県。その県庁所在地が那覇市である。面積は約40平方キロメートルで国内の県庁所在地では最小。市内の面積の多くを那覇空港と在日米軍や自衛隊の関連施設が占めるため、狭い居住可能エリアに約32万人の住民がひしめく。人口密度は1平方キロメートル当たり約8000人に及び、この数値は首都圏や近畿圏以外ではかなりの高水準である。
市内では米軍や自衛隊の軍用機の飛行があるため、高層建築物の建設がかなわない。この街に降り立つと空が広く感じるのは、この規制があるおかげである。
那覇市は沖縄本島の南西部に位置し、市の中央部を流れる国場川が漫湖へとつながる。沖縄県には鉄道が敷設されておらず、那覇市は日本で唯一の「鉄道のない県庁所在地」でもある。
多くの県庁所在地が人口減少に悩む中、那覇市の人口は増加を続けている。1980年に29万5000人だった市の人口は、緩やかながら順調に増加。総人口に占める15~64歳の生産年齢人口の割合は63.5%と、全国平均とほぼ同水準である。
沖縄は戦後から一貫して在日米軍基地の多くが拠点を構えてきたことから、その負担に苦しみ、長きにわたって「基地の街」という印象を持たれてきた。それは現在でも変わらないが、近年はアジア地域の目覚ましい経済発展により、この街の経済面での地政学的な優位性に注目が集まっている。
アジアの都市から近く、隠れた金融センター候補
那覇空港から台北までわずか30分、上海まで1時間25分、香港まで2時間、シンガポールまで4時間強でアクセスできる。羽田空港から香港まで4時間、シンガポールまで7時間半であることを考えると、経済発展著しいアジアの諸都市へのアクセスは抜群といえる。首都東京をアジアの国際金融センターにしようという計画が叫ばれているが、国内では那覇市がアジアの都市に最も近く、実は国際金融センターの隠れた候補ともいえるのである。
この記事は有料会員限定です
残り 622文字
