世界銀行グループで民間の投融資に対する保証を行う多数国間投資保証機関(MIGA)の長官に本田桂子氏が就任して5年になる。この間の実績や日本企業の投融資について話を聞いた。
──MIGAの役割は、発展途上国の経済支援に民間企業を呼び込むことですね。
民間企業がクロスボーダーの投融資をする際の政治リスク保険と信用補完を提供している。兌換不能や送金不能、あるいは政府の契約不履行、国営化、戦争、内乱などのリスクをカバーする。対象地域は、低所得で高リスク・低格付けの国だ。
──MIGAの保証額は大きく伸びています。
2018年度(6月末)は年間の保証額は53億ドル、残高は212億ドルでいずれも5年間に約2倍に伸びた。MIGAの設立当初の1988年はODA(政府開発援助)のほうが大きかったが、94年にこれをFDI(海外直接投資)が上回り、16年にはFDIがODAの3倍になっている。
──日本企業の貢献が増えているとか。
日本企業の投融資は21億ドルに達している。具体的なプロジェクトとしては、ミャンマーでの移動体通信とブロードバンドビジネスがある。トルコでは高度医療が受けられる病院の設立に投資しており、MIGAと欧州復興開発銀行が保証をつけたことで、その発行債券はトルコ国債を上回るトリプルBの格付けを得た。最近、トルコ国債の格付けが下がったが、この債券は影響を受けずに格付けはそのままだ。また、ベトナムでは多くの日本企業が参加して、南北をつなぐ高速道路と、周辺の貧困地帯にも人や物を届けられるような幹線道路を造っている。
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