今年の夏、熱波と異常気象が北半球で猛威を振るったことで、地球温暖化問題に再び焦点が当たるようになってきた。気温上昇が自然災害の深刻化につながったとする分析も出ている。
今年8月、米国科学アカデミーの紀要に掲載された論文で気候学者たちは、このまま行くと地球は「ホットハウス」(温室)と化し、人類が住めなくなる可能性があると警告した。産業革命前と比較して平均気温が2℃上昇すると、地球は臨界点に達し、人類はかつて経験したことのない環境の変化にさらされることになるというのだ。
温暖化が臨界点に達すると、ドミノ倒しのように連鎖反応が起き、気温上昇が加速しかねない、と同論文は指摘する。こうした悪夢のシナリオについては現在も科学的な議論が進行中だが、地球がホットハウス化するリスクがないと確実に言い切れる人など誰一人としていないだろう。
リスクはほかにもある。このような破滅的シナリオを前に、人々が絶望してしまうリスクだ。「パリ協定」が掲げる温室効果ガスの削減目標は達成困難とする調査結果も多数存在する。だが、事態を絶望的と決め付けるのは危険なだけでなく、そもそも事実に反している。現在起きている技術革新や政治的な変化を見れば、そこに確かな希望があるのがわかるだろう。
9月に米サンフランシスコで行われた「世界気候行動サミット」では、化石燃料を用いない技術が加速度的に進化している状況が示された。太陽光および風力による発電は4年ごとに倍増している。このペースを維持できれば、2030年までに世界の発電量の少なくとも半分は太陽光と風力という二つの再生可能エネルギーで賄うことができるだろう。
しかも、これを上回る技術革新でさえ不可能とは限らないのだ。たとえば、過去数年間だけを見ても、太陽光発電や蓄電の技術は急速に進化してきた。
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