「初めてウーバーで外国人を乗せて緊張したよ」。兵庫県の淡路島を走るタクシー運転手は、慣れないタブレットを横目に話す。米国のIT企業ウーバー・テクノロジーズは7月21日から島内のタクシー40台に配車システムを導入する実証実験を始めた。
乗用車に相乗りするライドシェアサービスを手掛ける同社は、2012年に日本へ進出。だが、「白タク行為」を禁じる道路運送法の規制や安全性に疑問を呈するタクシー業界の猛反発に阻まれる。やむなく都内でのハイヤー配車サービスや宅配サービス「ウーバーイーツ」で認知度を高め、事業拡大の機会をうかがってきた。
今回の実験は、人口減少が進む中、観光産業活性化を目指す淡路島の要望により実現。訪日外国人客など島を訪れる観光客の利便性を高めるのが狙いだ。「淡路島と同じモデルを、日本全国に広げていきたい」。ウーバーのアジア太平洋地域モビリティ担当、アミット・ジェイン氏は意気込む。
しかし、ウーバーの中国事業を買収した宿敵、中国配車アプリ最大手の滴滴出行(ディディチューシン)は動きが早かった。7月19日に日本進出を発表。世界の配車サービス企業に巨額の投資を行うソフトバンクと手を組み、日本で合弁会社「DiDiモビリティジャパン」を設立した。
東京や大阪など5都市で、ウーバーにはない翻訳機能を搭載したタクシー配車システムの実証実験を秋から始める。認可台数が8000台超と全国一を誇る第一交通産業が導入を決めており、早くも規模でライバルに差をつけた格好だ。
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