オックスフォードでワールドカップ(W杯)のテレビ中継を見た。フットボールの母国でもある英国のサッカー人気は日頃から高い。それに加え、今回はイングランドのチームがベスト4まで進んだことから、私の周辺でもW杯の話題で持ちきりだった。街を歩くと、白地に赤の十字のイングランド旗(ユニオンジャックではない)を見掛けた。試合のある日に街のパブに入ったら、大画面に映し出されたイングランドチームを熱狂的に応援する人々であふれ返っていた。
国際的な大学街であるオックスフォードでは、イングランド以外を応援する人々も少なくない。興味深いのは、イングランドが負けたクロアチア戦だ。同じ英国人でもイングランド以外の出身者はクロアチアを応援したという。この国ではナショナリズムがイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドに分かれていて、イングランドとその他の間には根深い心理的葛藤が残っているといわれる。ナショナリズムの区分が日本のように統一されていないのである。
もう一つ気づいたのは、西欧の強豪チームにアフリカ系選手が多いことだ。移民やその子孫に当たる選手たちで、英仏、ベルギーなどかつての植民地支配国チームは、東欧や北欧に比べてアフリカ系選手の活躍が目立った。
社会学の研究が示すように、階級的にも恵まれない、民族的に少数派の少年にとって、プロのサッカー選手はわかりやすい社会的上昇移動の手段と見なされてきた。特に英国ではサッカーは労働者階級のスポーツといわれた歴史もあり、それが成功の夢を後押ししてきた。
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