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技術革新への無理解が先進的サービスの普及阻む 鈴木幸一 その3(全4回)

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すずき・こういち●インターネットイニシアティブ(IIJ)会長兼CEO。1992年に前身企業を創業、日本初の商用ネット接続サービスを立ち上げた。2013年6月から現職。(撮影:梅谷秀司)

先進的なものを出すチャンスはあった。2001年には、横浜市と川口市(埼玉県)にデータセンターを着工した。投資額は300億円以上。少なくない金額だが、今クラウドが全盛になっているように、いずれあらゆる情報システムをネットワーク上に置く時代が来ると確信していたから、必要な費用だと考えた。

川口のデータセンターは03年に完成したが、当初NHKがアーカイブセンターとして利用する構想があった。NHKの映像コンテンツのアーカイブをネットで配信していこうというね。将来的な「放送と通信の融合」も視野にあった。けれども結局、放送法から逸脱するだとか、ネットに流すと著作権や出演者の肖像権を侵害するだとか、そういう法的なハードルが立ちはだかって実現できなかった。

こんな調子で、日本のユーザーはネットワーク上にデータを置くことすら嫌がっていたから、すぐにはデータセンターを十分に活用することはできなかった。

一方、米国では05年12月にユーチューブがネットでの映像配信を始めて、あっという間に世界へ広がっていった。

そもそも日本と米国では、法的リスクをめぐる環境に大きな差があった。日本では裁判自体もえらく時間がかかるが、米国の裁判は「こういう技術革新が起こっているなら」という理由で、従来は認められなかったことも違法としない判決が、たくさん出ている。

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