大企業の定年退職時には、退職金を一時金でもらうか、企業年金でもらうかを選択できる場合がある。その際、どちらでもらったほうが得だろうか。
筆者の専門である税金分野でいえば、どちらが有利かは明白だ。一時金でもらったほうである。というのも、退職金の場合、勤続年数が20年までは1年当たり40万円、勤続年数20年超の期間については1年当たり70万円の所得控除が受けられるためだ。
この控除枠はかなり強力だ。たとえば勤続40年だった場合は、2200万円もの所得控除が受けられる。つまり2200万円までの退職金には所得税も住民税もまったくかからない。また社会保険料もかからない。

普通の会社員は税金かからず
2017年の日本経済団体連合会(経団連)の発表によると、大卒60歳で定年退職した人の退職金平均額は2374万円となっている。高卒の場合は2048万円である。平均的な退職金をもらっている人は、ほぼ税金がかからないといえるのである。
もし控除額を超えても、超えた部分の2分の1しか課税の対象にならない。退職金の税金は、非常に優遇されているのである。
一方、年金方式でもらった場合はどうだろうか。公的年金収入は65歳未満では所得控除が基礎控除と合わせて108万円しかない。配偶者控除、社会保険料控除などもあるので、年金収入が大体160万〜170万円以上あれば、税金がかかってしまう(独身者は大体130万〜140万円以上)。ビジネスパーソンの公的年金支給額の平均は、月15万円程度なので、税金がかかってくるかどうかは微妙なラインである。ただ、もし退職金を年金でもらい、年間100万円の年金の上乗せを受けた場合、この上乗せ分に税金がかかってくることになる。
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