トランプ米大統領の独裁的傾向がますます目につくようになってきた。トランプ氏と対面した北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)委員長は、そこに自分と同じような人間が立っていると感じたのではないか。
合衆国建国の父たちが今のような状況を目にしたら、きっと驚愕するに違いない。なぜなら彼らが起草した憲法とは、王のような人間が現れないようにするためのものだったからだ。建国の父たちは米国が君主制に陥らないよう、議会に大統領以上の重みを与えた。
だがトランプ政権になってからというもの、臆病風に吹かれた議会は大統領に従属する存在になった。与党共和党の執行部は、岩盤とされるトランプ支持層を敵に回したくないと考えているのだ。
次の選挙への出馬を見送った共和党議員の中には、トランプ氏に公然と反対意見を述べる人物も出てきているが、そうした議員は一握りにすぎない。とはいえ大統領の権限に関するトランプ氏の主張はあまりに常軌を逸しているため、同氏に忠実な共和党議員の間ですら不穏な空気が広がりつつある。
トランプ氏が大統領制を王制のように考えていることがわかって大騒ぎになったのは、つい先日。トランプ氏の顧問弁護団がモラー特別検察官宛にしたためた書簡が、米ニューヨーク・タイムズ紙によって暴露されたときだ。モラー氏はトランプ氏のロシア疑惑に関する捜査を取り仕切っている。書簡の中で顧問弁護団は、「大統領は自らに恩赦を与える権限を有しており、どのような告発であっても無効化することができる」といった主張を展開。トランプ氏もこれに同調するツイートを行った。
トランプ氏はすでに、三権分立の慣例を打ち崩すことに成功している。捜査を監督する司法副長官に圧力をかけ、極秘の捜査情報を仲間の共和党議員に閲覧させることに同意させたのだ。トランプ氏の“お友達”が入手した情報はホワイトハウスに報告されるはずで、そうなれば、行政府の長である大統領を議会がチェックするという極めて重要な仕組みに穴が開く。
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