有料会員登録 東洋経済オンラインとは
ビジネス #フェイスブック解体

賃金の伸び悩みはGAFAが原因? 経済学者が新説を提唱

3分で読める 有料会員限定
新説として注目される「労働分配率の低下とスーパースター企業の興隆」論文

賃金がなかなか上がらない。これは日本に限らず先進国に共通する悩みで、経済学者の間ではその要因をめぐる議論が盛んに行われている。こうした中で注目を集めたのが、2017年5月に公表された「労働分配率の低下とスーパースター企業の興隆」と題された論文だ。

論文を執筆したのは米マサチューセッツ工科大学のデヴィッド・オーター教授らでグーグル、フェイスブック、アップル、アマゾン、ウーバー・テクノロジーズ、エアビーアンドビー、ウォルマート、フェデックスなどの「スーパースター企業」の隆盛が労働分配率の低下を引き起こしたと主張している。

労働分配率とは、企業活動で生み出された価値のうち、賃金など労働者に分配された額の割合を表す。その低下は賃金の伸びを押し下げる3大要因の1つだ。

オーター教授らは米国の6つの産業分類である製造業、小売り、卸売り、サービス、公益・運輸、金融について数百の企業データを用い、5年、10年といった区切りで、市場集中度(ある市場をどの程度の数の企業が占有しているかを示す指標)と労働分配率の関係を導き出した。

分析結果は、それぞれ、技術革新が起きた時期に市場集中度は高まり、この市場集中度が高まるほど労働分配率が下がるというものだ。たとえば、製造業では5年で市場集中度が1%高まると労働分配率は約5%下がるという相関関係があるようだ。さらに、この傾向は米国以外の先進国でも見られるという。

オーター教授らは、スーパースター企業が他社よりも高い質、低いコスト、技術革新によって各業種での支配力を強め、いわゆる「勝者総取り」を実現していると指摘する。GAFAにもその特徴が見られる。グーグルなどは革新的なITの利用とグローバル化とで、一気にシェアを獲得した。アップルは製品の製造を外部委託し工場設備や人員のコストを極小に抑え、競争力を高めた。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数