「Enemy? Not enemy, That's a competitor, right?(敵? 敵ではなくてライバルだろ?)」
「No! They are enemies! because...(違う! 彼らは敵同士なんだ。なぜなら……)」
これは、私がお世話になっている会社に海外から都市開発に携わる役人が来て、私と彼とで日本の入札システムの利点や欠点について話をした際のやり取りである。
私の経歴を知っているインドからの来客は、私がライバル会社同士の関係を「enemy(敵)」と呼んだものだから、特殊部隊員としての癖が抜けずにいるのだろうと思い、通常は「competitor(ライバル)」と呼ぶのだと指摘してきたのだ。
職業として通訳をしているような人であれば、彼の言うように訳すのだと思う。しかし、私は通訳としてその会議に参加していたわけではないし、自分なりの解釈で単語を選んだ。私は英語をちゃんと勉強したわけではなく、言語は“音波”の一種くらいにしか思っていない。ただ、考えなしに「enemy」という単語を使用したわけではなかった。
インド人は納得した
クライアントの要望に沿って、特殊部隊にいたときに得た知識や経験から「意思決定法」や「リーダーシップ論」、「チームビルディング」に関する話をよくしているが、私の中で気をつけていることがある。それは戦うことと競うことの違いである。私のいた世界では戦うことしかないが、ビジネスの世界ではライバル会社同士が戦いはしない。
私のいた世界での「戦う」という行為は、つねに相手を潰すことを目的としているわけではないが、任務達成のためには相手を殲滅することもためらわない。
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