3月28日、国内製薬最大手の武田薬品工業が度肝を抜く賭けに出ようとしていることが判明した。欧州の同業大手シャイアーの買収だ。同社の時価総額は約4.9兆円、完全買収なら、買収額5兆円は下らない。
武田の売上高は約1.7兆円、シャイアーは同1.6兆円。単純合算すれば世界9位、日本初のメガファーマが誕生することになる。
シャイアーは1986年に英国で創業し、現在はアイルランドに本社を置く。2016年に米バクスアルタを3.2兆円で買収。希少疾患などに加え、難治性の血友病といったがん治療薬や中枢神経系に強みを持つ。武田が注力する、がんや中枢神経系などの製品領域や米国市場を強化でき、買収のメリットは大きい。
武田は買収観測報道が出た同日夜に声明を発表。買収の検討は初期・調査段階で取締役会への提案はしていないとしつつも、「何らかの提案を行うことを検討している」と表明した。
買収のネックは、5兆円超が予想される巨額の買収資金だろう。武田は08年以降、計約2.6兆円をつぎ込み、3件の大型買収を断行した。枯渇する開発品の穴埋めと将来の利益源確保を図るためだ。

結果、武田の財務は悪化の一途をたどっている。それまでは実質無借金だったが、いまや1兆円超の有利子負債を抱え、現預金が4000億円台しかない。
武田の株主が懸念するのは、増資による利益の希薄化で現在の1株当たり180円という配当が維持できなくなりはしないかだ。資金負担の懸念もあり、報道後に株価は一時10%近く下がった。
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