高齢化が進むとともに、医療需要は増えていく。これまでのような医療サービスが維持されるとは限らない。
典型例が救急車の利用だ。東京消防庁は島嶼(しょ)部と稲城市を除く、東京全域をカバーしている。同庁救急管理課の渡邉哲也・消防指令は「2017年の救急出場件数は、救急業務を開始した1936年以来での過去最多を記録した。特に高齢者の搬送が増えている」と話す。
出場件数は右肩上がりで伸びている。軽症者の割合は50%前後で落ち着いているが、搬送者に占める65歳以上の高齢者の割合は16年に50%を突破。75歳以上に限ってみると、17年は全搬送者の37.6%を占めた。

07年には、救急車を呼ぶべきか迷ったときの電話相談窓口「救急相談センター」(#7119)を導入し、不要不急な救急車の利用を防ぐことができるようになった。
しかし、このままのペースでいくと、高齢者への対応で救急機能がパンクしかねない。渡邉氏は、「25年ごろに東京都の人口がピークを迎え、その後も高齢者の割合は高まっていく。救急需要はさらに増える」と話す。
救急需要が急増すると、119番通報を受けてから現場に到着するまでの時間が長くなってしまう。97年に出場から現場到着までの平均時間は5分18秒だったのが、17年には7分19秒まで延びている。「東京五輪までにこれを7分以内にしたい」(渡邉氏)という目標を立てており、そのために現在253台ある救急車の増車を計画している。
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