1年ちょっと前に封切られ、大きな話題となったアニメ映画『この世界の片隅に』のDVDを持って、実家へ行った。もうすぐ91歳になる父に見てもらうためだ。
以前、当連載で書いたが、私はこの映画の主人公が玉音放送を聞いた直後に取った行動に衝撃を受けた。ほかの登場人物らが、「はー、終わった、終わった」「広島と長崎へ新型爆弾も落とされたしの」「ソ連も参戦したし、まあ、かなわんわ」とつぶやいたら、普段はおっとりとした主人公が、感情を爆発させて叫んだのだ。
「最後の一人まで戦うんじゃなかったんかね? 今ここにまだ5人もおるのに! まだ左手も両足も残っとるのに!」
軍人でもない普通の女性が、本気で一億玉砕を考えていたのか。時限爆弾ですでに右手を失っているというのに、まだ左手と両足が残っているから戦えると、本当に思ったのだろうか。私の父は当時、主人公の女性とほぼ同年齢であり、この映画の感想を聞いてみたかったのである。DVDを見終えた父は、私の疑問にこう答えた。
「戦をやってたんだぞ。それに誰もがちゃんと開戦の理由を聞いたし、納得もしていたよ。だから、主人公のように考えた人はけっこういただろうな。男女問わずな。でも、この映画と一緒だよ。いろんな人がいたさ。俺の親父なんかは、サバサバと『終わった、終わった』って本当に言ってたし、宮城(皇居)の前で泣き崩れている人もたくさん見た。『皇国は米英の暴力に屈するのか』と嘆く人もいた」
そして、父自身はどう感じたのかを聞いてみると、
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