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ライフ #非常時の組織論

たとえ親子でも心情の理解は難しい 『この世界の片隅に』を見て悟ったこと

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生まれて初めて映画館でアニメを見た。評判になっていた『この世界の片隅に』である。

主人公のすずは、広島市内で幼少期を過ごし、18歳で隣の呉市に嫁いだときは、戦争が始まっていた。1945年になると、配給制限で生活物資が欠乏、生活は逼迫してくる。そんな中、けなげに日常の暮らしを維持しようとする。だが、空襲で一般市民にも命の危機が迫るようになり、すずは右手を失ってしまう。

映画を見ながら私は、まだ終戦まで3カ月もあるのか……、あと1カ月か……と思い、8月6日に広島へ原爆が投下されると、正直「もういいじゃないか」と思った。

すずは明るく前向きな性格で、運命を粛々と受け入れ、感情をあらわにすることの少ない、おっとりとした女性だった。

ところが8月15日、自宅で玉音放送を聞き、こう絶叫した。

「最後の一人まで戦うんじゃなかったんかね? 今ここへまだ5人もおるのに! まだ左手も両足も残っとるのに! うちはこんなん納得できん!」(せりふは筆者の記憶)

軍人ではない一般市民までが、空爆や機関銃の弾を浴びる。そして原爆が投下された後、「もう楽にさせてあげたい。戦争を終わりにしてほしい」と、元特殊部隊員の私は思った。ところが、ごく一般の20代の女性主人公は、「最後の一人まで戦うんじゃ……」と叫んだ。

私は不意をつかれ、驚いた。そして、父のある言葉を思い出した。

歴史に向き合う難しさ

数年前、元米空軍の情報将校が私に、職業軍人であった父との面会を依頼してきた。父が承諾したので、彼を連れて実家に行った。

彼の父への質問は、戦前の日本の治安であったり、進駐軍の印象だったり多岐にわたった。最後に、「戦争によって人生を狂わされたと思いますか?」と聞いた。

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