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深センの活況から浮かぶ百年前の中国経済 中国のシリコンバレー

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  • 岡本 隆司 早稲田大学教育・総合科学学術院教授

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中国はいまやスマホ大国。スマートフォンをはじめITは、いわゆるスマホ決済の隆盛で、日本よりはるかに普及している。それが若者を中心に生活レベルの激変をもたらし、もはやスマホがないと生きていけないような社会を作り出した。

そんな巨大市場を背景に、IT産業とりわけハードウェア製造業の先端をゆくのが、「中国のシリコンバレー」とよばれる深センである。その活況は、日本の業界など圧倒的な敗北を喫した、という評価すら出るほど。「すごい」「チャンスにあふれる」と称賛の的となった。

深センの活況が意味するもの

香港に近い深センは元来、「改革開放」の始まりとともに生まれた都市である。爾来(じらい)、発展をつづける中国経済の最前線を走ってきた。新興事業を発展させるため、政府が主導してインフラを整えているところから、スタートアップ企業や製造工場が、深センには数多く存在する。現在の「中国のシリコンバレー」も、そうした流れからできあがった。いまやIT・ベンチャー企業に最適の環境条件を提供しており、いわば黄金時代である。

もっとも、それは決して起業・経営、あるいは発展がたやすいことを意味しない。活動する多くは、零細な事業者である。とにかく競争が激しい。製造コストを極限まで切りつめなくてはならず、倒産や夜逃げはごく茶飯事的だという。個々の企業が必死の生存競争をくりひろげることで、全体として効率的な製造業が実現しているにすぎない。

低廉な人件費と日本・韓国・台湾から流れてきた低附加価値事業の技術を利用した、コストのかからない生産・取引が強みである。しかしそれもいつまで続くかわからない。みな生き残りをかけて、暗中摸索の毎日だといわれる。

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