1月22日から通常国会が始まった。与野党の質問時間について自民党は従来の慣例だった「与党2、野党8」の配分を改め、与党の質問時間を増やすよう主張している。国会審議において公正なルールとは何か。各国の議会制度に詳しい駿河台大学名誉教授の成田憲彦氏に聞いた。
──与野党の質問時間について、外国の議会はどうしていますか。
議会にどんな機能を求めるかで違ってくる。たとえば英国議会は政府と野党との論戦の場。与野党党首のクエスチョンタイムに象徴されるように政府と野党が論戦を行い、最終的には政府法案が可決される。演説型の議会であり、野党の質問に政府が逐一答えるというやり方ではない。
フランスでは議会は政府と与党との妥協の場だ。政府は官僚主導であり、政府案は与党の事前審査を経ていないため、議会提出後に与党が修正を加えていく。関係者へのヒアリングや与党主導の協議によって中身を決めていく。
ドイツでは委員会審議は非公開で、政府と与野党の3者がフラットな立場で法案の修正を協議する。法案審議にかける期間も長く、やはり時間内で質疑をするやり方ではない。
──米国の連邦議会では?
公聴人を呼び、法案は条文ごとに修正していく。これも質疑という形を取らない。つまり審議の方式は各国で違うが、持ち時間内に質疑者が一問一答で質疑を行っている国はない。
日本の国会が質疑中心の方式を採用しているのは、国会が政治的調整の場でなく、野党による政府への抵抗の場に特化しているからだ。政治的調整は国会への法案提出前に与党が済ませているので、あとは野党に批判させて、頃合いを見て採決して成立させるだけ。表面上は国会で政府が追及され答弁に苦しんでいるように見えるが、最終的には政府案は成立する。
この記事は有料会員限定です
残り 560文字
